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留学生に一言: 莫邦富(モー・バンフ)さん

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自らも留学生として1985年に来日し、現在、知日派中国人ジャーナリストとして、政治経済から文化にいたる幅広い分野で発言を続けておられる莫邦富さんに単独インタビューをさせて頂きました。 莫さんは自らの経験を重ね合わせながら、日本に来ている留学生に聞いて欲しいこと、あるいは最近の著作活動等熱く語られました。お話は多岐にわたり、あっと言う間の1時間でしたが、『留学生へ一言』のテーマに絞り短くまとめました。

『今後アジアは留学をはじめとし、交流がますます盛んになると思います。』 
私(莫邦富)はまだ日本人とのつきあいがタブーで辞書も無く、日本語の本も閲覧禁止だった文化大革命のさなか、1973年から日本語を学び、1985年憧れの日本への留学を始めました。以後様々な経験、人との出会い、幾つかの壁を乗り越え、そのまま日本との縁が深まりました(註1)。
留学中の学生も友人、教師、親切な日本人との出会いに恵まれ、私もその一人でありますが、日本が好きになることが多いと思う。 
しかしながら憧れて日本に来ても、苦労だらけの生活や言葉にハンデのある勉学で、留学生や就学生の中には日本が嫌いになる人もいるだろう。そういった現実の留学・就学生活の現場を考えれば日本留学した若者がそのまま日本を愛する・好きになるとは必ずしも限らない。

しかし重要なことは、せっかく、この日本に来たいじょうは、まずは一生懸命努力してこの国の文化、風土、習慣(勿論ことばも含めて)を知るように努めて欲しいと思います。
この文化、風土、習慣をある程度知った上で、自ら考え、最終的に達した結論がやはり「日本は嫌いだ」であれば、その悪い点があれば日本の皆さんにも反省して貰えたらいい。 ただ最初から強い先入観を持って、例えば、「日本はいつもせこせこした国だ」等と思い込むのは良くない。

また日本留学とは逆に日本の若者が中国やその他の国々へ近年多数留学されるが、その場合も全く同じことがいえる。 

変化の激しいこの時代、先入観で国やその社会を見ると、見間違えて、とんでもない過ちを起こす可能性が大である。それはお互い不幸である。自分で勉強し、考え、経験し、その中で国や人の関係を築いて欲しい。』

インタビューの興奮の余韻を胸に街に出ると、地下食堂街の「もんじゃ焼き屋」の前で大学生とおぼしき4?5人の女性のグループがメンバーの留学生とおぼしき友人に、英語と日本語を混ぜながら、もんじゃ焼きについて一生懸命に説明している様子を目にしました。あまり流暢とは聞こえない英語でしたが留学生の目は好奇心で輝いていました。 その留学生は日本を好きになるに違いないと考えながら羽田に向かいました。

(註1)
日本留学の経緯、多くの経験、人とのめぐり合いについては莫邦富さんの自伝的日本論『これは私が愛した日本なのか―新華僑三〇年の履歴書』(2002年岩波書店)に詳しく書かれている。


莫邦富さん
知日派中国人ジャーナリストとして、政治経済から文化にいたる幅広い分野で発言を続けている。「新華僑」や「蛇頭」といった新語を日本に定着させたことでも知られる。
月に2回は中国各地に出張して常に新しい情報をキャッチし、メディアでは取材の現場で得た豊富な実例をまじえ、中国最新事情を堪能な日本語でわかりやすく語る。
現在、朝日新聞 be (土曜版)にて「mo@china」を好評連載中。
その内容を凝縮した『日中「アジア・トップ」への条件 謙虚になれ中国、寛容になれ日本』が2008年初夏発刊され好評。

http://www.mo-office.jp/index.htm